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連邦評議会

連邦評議会は、ガイア連邦共和国の最高機関である。単に評議会と呼ばれることも多い。6ある自治区から2名ずつ選出された評議員12名より構成される。ただし640年現在、ケープ自治区の議席は空席となっている。

機能としては立法機関であり、評議員や連邦の行政省庁から提出された連邦法案や予算案を審議し、決議する。また、外局として会計監査庁と公務員庁が設置されている。会計監査庁は連邦行政府の年度末決算の監査等を行い、公務員庁は連邦公務員の給与計算と支給(査定は各省人事局による)、評議会事務官の人事を行う。各庁の長官は評議会の総意によって任免される。

評議員の任期は原則として4年だが、不信任決議がなされた場合はそれが短縮される。また、補選によって選出された評議員は、元の評議員の任期満了までがその任期となる。評議員の任期が満了すると連邦評議会は解散し、約2週間の次期評議員選出期間に入る。評議員になるための条件や選出方法の原則は連邦法にて定められているが、これらは自治区法にて上書きが可能なため、実質的には各自治区によって異なる基準が適用されている。

慣例として、直轄区にて上位選出された評議員が議長を務めるが、議長は議事の進行を司る役職であって、特別に強い権限がある訳ではない。副議長は2名で、議長の指名と評議会の承認によって決定される。議長不在の場合の副議長の権能は議長のそれに準ずる(どちらが議事を進行するかは輪番制)。

評議会では、評議員を通称で呼び合うことが慣習となっている。これには、出身地での身分や役職、肩書きなどを評議会に持ち込まないようにするという意味や、どの地域の住民にとっても全ての評議員が等しく近しい存在であるようにとの理念がこめられている。

評議員は評議会に参加する他、2名1組となって担当行政省庁を持ち、その監督責任を負う。担当省庁の割り当ては評議会の最初の招集時に行われ、任期の間は原則として変更されない(補選後には稀に変更されることがある)。評議員は担当省庁に於いては次官人事権と政策否認権を保有するが、その行使には担当評議員両名の合意が必要である。なお政策否認権を行使された省庁は連邦裁判所に対して政策否認の妥当性審査を請求する権利が保障されており、ここで妥当性がないと認められると、担当評議員は連邦裁判所による政策否認取消命令に従い当該政策の施行を承認しなければならない(審査の場では双方に主張の機会が与えられており、判断は共和国憲法及び連邦法に基づき公平に行われる)。

ネオポリスのセントラルコート地区に連邦評議会ビルがあり、評議会及びその外局はここに設置されている。また、その近隣には評議員官邸が点在している。

毎週月曜日(休日の場合は翌日)に定例会がある他、議長はその権限で必要に応じて臨時会を招集することができる。議事のない日には、各評議員は官邸執務室に於いて担当省庁に関する各種業務を遂行することとされている。議事のない日でも事務官は評議会ビルに勤務しており、議事録のまとめや定例会等の資料作成、各種調査等の業務を行っている。ただし土曜日と日曜日、祝日には全館休業となる。

実のところこの体制はそれほど古くはなく、559年の連邦評議会法改正の時から始まったものである。

ガイア連邦の建国当初は国連総会をモデルとした連邦議会があり、議院内閣制に近い体制をとっていた。351年より評議会制に移行したが、現行制度とは異なる組織であったため、こちらは「旧評議会」と呼ばれる。旧評議会は431年に解散された後は再招集されず、連邦に立法機関が実質的に存在しない状態が504年まで続いた。これは当時、連邦法典が飽和して新規立法や改正の余地がなく、また予算審議や公務員人事等については専門の機関を置いて対処すれば充分と考えられたためとされている(現在の評議会が外局を持つのはこのときの名残である)が、実際には独立志向の強かった各自治区の総意であったと言われる。504年〜558年のJUPITER統治期には、JUPITERが行政の長官と立法機関を兼ねていた──余談ながら、JUPITERによって統合や廃止など合理化の対象とされた連邦法は相当数に上り、このことを根拠に旧評議会の再招集がされなかったことを批判する意見は多い。

640年現在の連邦評議会の構成は次の通り(任期は642年まで)。カギ括弧内に通称、括弧内に担当省庁等を表記する:

●直轄区選出評議員
 「ゲイナー」レオナルド・アトリー(議長、科学技術省担当)
 「ミストレス」ナオミ・クラフ(財務省担当)

●シノニア自治区選出評議員
 「トップドッグ」アブラハム・アゼイリア(財務省担当)
 「ネゴシエイター」キム・グレン(副議長、総務省担当)

●トッカル自治区選出評議員
 「バラム」ローレンス=シリル・バート(科学技術省担当)
 「ノディ」ユリウス=ノーマ・バート(総務省担当)

●ベリス自治区選出評議員
 「ハスラー」アルベルト・クレディエス(軍務省担当)
 「ナム」ヴェロニカ・オーデン(副議長、法務省担当)

●エウロ自治区選出評議員
 「マロゥ」プリンセス マーゴット=エディス・ヴィラ・アヴァロン(自治省担当)
 「ニムロデ」ロディス・カスタニエ(軍務省担当)

●ケープ自治区選出評議員
 空席(自治省担当予定)
 空席(法務省担当予定)