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空中庭園

ガイアポリスの沖合にある娯楽施設。国営。580年落成。

本体は上空1km付近にあり、1本の柱で支えられている。出入りはその柱の内側に備え付けられたエレベーターを使って行われる。なお、エレベーターは客室用と搬入用で別々のものが設置されており、これらに加え緊急用の予備機がある。柱の麓には客船が停泊できるよう、小規模ながら港湾施設が整備されている。

公式にはこの施設は存在しないことになっており、建造も極秘裏に行われた。現在もその存在を知る者は少ない。周辺海域は航行及び飛行禁止区域に指定されている。

利用には非常に高額な会費と料金が必要であり、実質的に政治家や大企業経営者といった富裕層専用のラウンジとなっている。セキュリティも万全であり、また従業員から外部に情報が漏洩する心配もほぼ無いため、極秘会談に利用される場合もある。

庭園内には共用の客室や高級会員所有の専用フロアの他、各種飲食施設、遊興施設などがある。専用フロアを所有するには会費等の他にさらに法外な部屋代が必要であり、落成以来実際に専用フロアを所有した人物は十指に満たない。

バックヤードには厨房や従業員用施設の他、簡易型食料プラント(簡易型とはいえ庭園内の食料を賄うには充分な規模を備えている)や海水脱塩装置及び循環型浄水施設を中心にした水道、廃棄物処理施設、発電施設までもが完備されており、ほぼ地上と切り離された運営が実現されている。

庭園内で接客等に当たる従業員は、すべてハーピーと呼ばれる人工生物である。ハーピーは人間に近い見た目をしているが、その生産・飼育は重大な違法行為であるため、彼らの存在もまた公にされておらず、また公にすることが出来ない。このため空中庭園から一歩でも外に出たハーピーは、発見され次第殺処分されるのが内部規定となっている。バックヤードにはハーピーの繁殖・教育施設などもあり、一般にハーピーは生涯空中庭園から出ることはない(ハーピーについての詳細は当該項目を参照)。

ハーピーが携わる部分以外についてはほとんどがコンピュータ制御となっており、従業員としての人間はごく少数しか存在しない。一方で管理責任は一応明確にされており、管轄は連邦総務省となっている。ただし書類上は海上通信基地であり、次官クラスでなければ詳細を知ることはない。警備は必要に応じて共和国海軍に要請されることになっているが、640年現在、出動が要請された事例は無いようである。